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その「休息」で疲れは取れない。知っておきたい原因、「自律神経」の乱れ。

自律神経研究の第一人者が直伝する日本人の休み方③

副交感神経の働きが弱い現代人

──なるほど。つまり、現代人の問題は副交感神経の働きが弱くなっていることだと。

 そうですね。ただ、例外はありますよ。
 交感神経も副交感神経も高い理想的な人は、いつも落ち着いていて安定感があり、心身の健康が保てています。目指すべきは、こういう人です。

 一方、現代人に多い、交感神経は高いけれど副交感神経が低い人は、絶えずイライラしており、血圧や血糖値が高く、生活習慣病にかかりやすい傾向にあります。

 逆の、交感神経が低く副交感神経が高い人もときどきいます。おだやかなのんびり屋で問題がないように見えますが、血流が悪く、やはり病気にかかりやすい。とくに、うつ病などメンタルに注意が必要です。

 交感神経も副交感神経も低い人は、体力がなく非常に疲れやすいはずです。ただ、なまじ両者のバランスがとれてしまっているために、本人は「自分は不健康である」という自覚に乏しかったりします。

 交感神経も副交感神経も高い理想的な人はなかなかいません。現代人はたいてい、どこかおかしい。こうした、自律神経のバランスの乱れこそが、現代人の「疲れ」をつくっており、それを取り除くことが最も重要な「休息」なんです。

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小林 弘幸

こばやし ひろゆき

1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。著書に『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(KADOKAWA)『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)『「ゆっくり動く」と人生がすべてうまくいく』(PHP研究所)など多数。


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